Bow Drill Friction Fire

弓錐式発火法。
少ない労力で高温を得られる効率の良い方法なので、寒冷地でよく使われていた。
日本でも使われていたそうである。
弓錐の応用として、硬い石(翡翠)などに穴を開けることもできる。

発火に必要な物は、弓、スピンドル、ハンドホールド、ファイアボード、火種受け(葉っぱや木の皮など)、ティンダー。
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弓は強度が充分で少し曲がっていれば材質は何でも良い。
今回はカヤの枝を使用。
長さは自分の腕よりも少し短い程度、「弓」ではあるが撓る必要はあまり無い。
今回は弓の弦にパラコードを使用したが、もっと滑りにくい紐のほうが向く。
3~6mmくらいの綿などが使いやすい。
弦の自作も可能だが、相当に丈夫でなければならない。
イラクサやカラムシなら強度は充分、必要な太さになるまで撚るのはけっこう面倒。

ハンドホールドは固め木や、くぼみのある石、骨、金属など、スピンドルを押さえられればなんでも良い。
今回は少し太めのカヤの枝を使用。
ナイフの柄にくぼみを付け、ハンドホールドに使用できるようにしたものもある。

スピンドルとボードは柔らかめの木で作る。
両方同じ木でも良いが、できればスピンドルは少し固めが良い(ボードが杉なら檜など)。
今回は共に杉を使用した。
注意すべきは、よく乾燥していることと、樹脂が付いていないこと。
樹脂があると潤滑油となって摩擦が小さくなり、温度があまり上がらない。
特に杉などは、節の部分に樹脂があったりするので気をつける必要がある。
ハンドホールド側は摩擦が少ない方が良いので樹脂を付けても良い。
スピンドルの長さは脛の2/3ほど、太さは2~3cm、ホールド側の先端を軽く尖らせておく。
ボードは厚さ2cmくらい、板が無ければ木の枝を2本並べて縛っても良い。

ティンダーは枯れ草や木の皮の裏の繊維、麻紐などを良くほぐし綿のようにしたものが良い。
今回は乾いた草の根を使用した。
これもよく乾燥していなければならない。


着火の手順は以下の通り。

ホールドとボードにくぼみを作る。
テンションが強くかかるよう、弦の長さを調整しながら弓の弦をスピンドルに巻きつける。
スピンドルの両端をそれぞれボードとホールド度のくぼみに合わせ、ホールドを持った手の甲を膝下に当てて固定し、弓を前後に動かすことでスピンドルを回転させる。
この時は軽く力を入れるだけでよい。
ボードにある程度のくぼみが出来たら、ノッチを刻む。
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ノッチは下のほうを広めにする。

ノッチの下に、木の葉や皮を置き、弓錐をセットして再びスピンドルを回転させる。
はじめはゆっくりと大きなストロークで動かしていく。
スピンドルとボードが削れ、ノッチに溜まっていくが、色と状態で発火に充分な温度を判断できる。
煙が出ていても、繊維状で茶色いウチはまだ充分な温度では無い。
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温度が高くなれば、色は黒く、細かい粉状になる。

煙の量が多くなってきたら、ホールドにかける力を強め弓の動きを早くする、ストロークは短くとも良い。
黒い粉状のものが盛り上がり、煙がさらに増えて来たら火は付いているはずなので、スピンドルを静かに外し息を吹きかけてみる。
息を吹きかけて煙の量が増えるようなら火は付いているので、ボードを静かに持ち上げる。
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息を吹きかけて煙が吹き飛ぶようなら、火は付いていないので再びセットしてスピンドルを回転させる。

できた火種に軽く息を吹きかけ、火を大きくする。
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火種をティンダーの上に静かに置く。
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ティンダーで火種を包み、息を吹きかけるか、指の間に隙間ができるよう軽く握って振り回すと炎が起きる。
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慣れれば30秒もかからずに火種を作ることができる(ノッチを刻んだ後)。
材料が良く乾燥していたせいだろうが、今回は20秒ほどだった。
12年ぶりにしてはまぁまぁである。

私のナイフには、60~100cmくらいのパラコードを付けてあるものが多いが、予備の靴紐であると同時に着火用(まず無いとは思う)でもある。
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by rwalker | 2009-05-03 18:15 | 火器
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