米軍が2005年から使用を始めた、第三世代の拡張式寒冷地被服システム(Extended Cold Weather Clothing System)の内、Layer IVのウインドシャツ(ジャケット)。 納入ブランドはパタゴニア、重量はMサイズが364g(実測)。 民生用のソフトシェルジャケットをベースに、両胸にネームタグ用のベルクロ、両袖にポケットを追加してある。 柄は新型の迷彩パターンであるACU迷彩。 両袖のポケットはけっこう大きく、ギリギリ文庫本が入るサイズ(高さが少し足りない)。 ユニフォームのACUや海兵隊の新型戦闘服もそうだが、旧来のBDUジャケットにあった腰ポケットが排され、両胸と両袖で4ポケになっている。 これは、ボディアーマーやタクティカルベストなどを着用していてもポケットを使えるようにする為。 しかし、大型ポケットといっても両袖に重いものを入れると邪魔なので、精々メモ帳や地図、コンパスに留めて置いたほうが良いだろう。 このジャケットは生地が薄く柔らかいので尚更である。 また、手を上げた際に内容物が落ちる可能性もあるので、貴重品は入れるべきでは無い。 フラップに付いているのは、敵味方識別用のIR(赤外線)タブ。 フラッシュの反射で赤く光っているが、肉眼では黒く見える。 通常はベルクロの付いたナイロンウエブで覆われている、これは内側に折り返し固定できる。 (このポケットのフラップはベルクロが大きくしっかり固定されるが、反面開け難い、しかしこれを内側に止めておくとその分ベルクロが殺されるので開けやすくなる) 前面下部の裏側。 ポケットの身体側はメッシュになっているので、ポケットのジッパーを開ける事である程度の換気ができる。 ポケット内部、外側は起毛されていて、ハンドウォーマーとしても良い。 この腰部のポケットは、ジッパー下端とポケットの底の上下差があまり無いので、ジッパーを全開にすると内容物が落ちやすい。 裾には伸縮性のコードが入っていて、前面ジッパー下部の近くに着いたコードロックで固定されている。 コードの端はポケット内部に出ていて片手で操作可能。(コードの端を引っ張る、コードロックを緩める) 登山、バックパッキング用としてだと余計な機能があり、DWR加工されていても縫い目が多く浸水しやすい、など気になる点もあるが、比較的安く買えるので、まぁ良いだろう。 このジャケットも、パタゴニアの製品開発に合わせてバージョンアップしていくのだろうか? 因みに、第三世代ECWCSの内訳は以下の通り。 L1:ベース 薄手上下 L2:ベース 中厚上下 L3:ミドル(フリース) L4:ウインドシャツ L5:厚手ソフトシェル上下 L6:ゴア上下 L7:化繊インサレーション(プリマロフト)上下 主観だが、登山、バックパッキング用としてはL1~L4は充分に使えるが、それ以降はヘビー過ぎるように思う。 しかし、L7はシェルにEPICを使用し、肘、膝に補強が入り、パンツは両サイドフルオープンなので、冬季のクライミングやオーバーナイトのツアースキーでのビヴァーク用に良いかも知れない。
by rwalker
| 2007-10-12 00:54
| 衣類
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