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THE TWO KILOGRAM SURVIVAL KIT FIELD MANUAL

カナダ、アルバータ州の北部でサバイバル技術を教えているM・KOCHANSKIのポケットブックシリーズの一冊、「THE TWO KILOGRAM SURVIVAL KIT FIELD MANUAL」の内容。
私の訳はかなり大雑把なので、覚え書き程度である。

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北部森林地帯でのベーシックサバイバル

「常に備えよ」
以下のものを身につけること。
1、悪天候に備えた服装。
2、防水容器に入れたマッチ、またはその他の発火器具。
3、鋭利で使いやすいナイフ。
4、ファーストエイドキットとシグナルミラー。(ここでの鏡は信号用よりも、顔面の傷を手当てしたり、目に入った異物を取り除く為、ファーストエイドキットに入れる事を薦めていると思う)


「基本となるキット(2kg)」
1、容器
鍋として使用する。食用油の缶が良い、または白ガスの缶でも使えるが、念入りに洗浄すること。
縁に穴を開け、より合わせた針金を通して取っ手にする。
必要となるまでは取っ手を付けないこと。
(注:おそらく収納性から角型の缶。しかし、飯盒でも良いと思う)

2、ナイフ
スウェーデンのMORAが良い。
刃渡りは10cm前後、ハンドルサイズは使用者の手に合うもの。
(注:MORAのナイフは安価な割りに使いやすく優秀なナイフである。が、著者が他の本で紹介しているバトンとナイフメソッドではハンドルが壊れやすいので、もっと丈夫なナイフのほうが良いと思う。私はONTARIOのRAT3、FALKNIVENのH1などを使用している)

3、手斧
450~500gのもので、刃をカミソリのように研いでおく。
刃の部分はダクトテープでカバーする。
柄を取り外し、ビットだけ持ち歩いても良い。
(輸入品なら各ブランドのハチェット、国産なら枝うち用など林業用の手斧が使いやすい。ホー無センターなどで売っている千吉アッキスは1000円程度と安価だが充分である。少し重いが)

4、ノコギリ
ノコギリのコンポーネントは、
ⅰ)弓ノコの刃、90cm長と小さなボルトとナットを二組。   
ⅱ)伸びない丈夫な紐を、ノコギリの刃の十倍の長さ。  
ⅲ)4cmの釘を4本。
(注:この手の弓ノコはカナダやアメリカではポピュラーで、刃だけを持ち、フレームを現地調達するための装備である。 しかし我国ではあまり見ないものなので、ゴムボーイなどの折畳みノコか、その替え刃と木ネジでも良いと思う。 私はガイド時代にゴムボーイを携帯したが、非常に有効であった)

5、スノーシュー
夏場や雪が深くない環境では必要無い。オプション装備。
ⅰ)ランプの芯(コットンの平紐、ナイロンウエブでも良い)を4m。ビンディングに使う。ゴムバンドでも使える。 
ⅱ)45kgテストのナイロン紐かパラコードを10m。 
ⅲ)屋根板用の釘を50本。

6、パックフレーム
背負子を作る為のコンポーネント。
ⅰ)ショルダーストラップ用のナイロンウエブなどを1,5m。 
ⅱ)45kgテストのナイロン紐を3本。 フレーム同士を縛り合わせるため。 
ⅲ)2,5mmのナイロン紐を10m。荷物をフレームに縛り付けるため。 
ⅳ)屋根用の釘を3本。フレームを組み合わせるため。 (全ての紐はパラコードでも良い)
(注:パラコードなどの紐が充分にあれば、ストラップも編めるし他の用途にも使える。3cm幅で1.5m長のストラップを編むには、約20m必要。パラコードなら外皮でストラップを編み、芯を別に使うこともできる)

7、シェルター
保温性に優れた「スーパーシェルター」構築の為のコンポーネント。
ⅰ)クリアポリエチレン
透明なビニールシート、比較的重いので薄い物が良い。
厚い物は丈夫だが、重くかさ張る。

ⅱ)マイラーシート
いわゆるサバイバルブランケット。
全ての鏡常のものは赤外線や光を反射する、シェルターの前に雪や池があるように設営すれば効果的にシェルターを温められる(日光を反射して)、同様にこの手のシートをシェルター内に使用すれば、赤外線を反射してシェルターを暖かく保てる。
「サバイバルブランケット」には二種類ある。
マイラーシートのように薄く軽い物、厚手で四隅にハトメのあるものである。
後者は非常に丈夫であるが、かさ張るし高いのであまり良くない。
マイラーシートも丈夫ではあるが、とがった物などで穴が開いたり裂ける事があるので、扱いには注意すること。
あらかじめ四隅をテープで補強しておいて、紐をつけた安全ピンを使うと良い。
(2ページに渡って記載されているが、適当に纏めた)

ⅲ)ナイロンシート
通気性を保ちつつ風を防ぐ為、ノンコーティングのパラシュート生地が良い。
(注、軽くコンパクトになる布なら何でも良いと思うが、ツェルトが使いやすいと思う。 通気性が重要なので、ノンコーティングであることは必須である)


8、発火器具
メタルマッチ(1000回から4000回の着火可能)
ロウソクはシェルターの暖房や照明になる。火起しにも良い。

9、食料を得る為の装備
ⅰ)22ゲージの罠用針金。
ⅱ)スリングショット用に、レザーポーチとゴムチューブ。
ⅲ)釣り針を各サイズ、計12個。 ハリスを2本。 錘を12個。 テグスを30m。
ⅳ)余裕があればOXOキューブ(固形ブイヨン)のパックをいくつか。
(注:くくり罠用の針金は、真鍮製がしなやかで使いやすい。トムソンのセルフロック付きも良いが、高価だしサイズを揃えるのは面倒である。 ハリス(Leader)はフライ用かも知れない。釣り糸は専用でも良いが、丈夫な糸、デンタルフロスでも代用できる。錘は板錘が良いと思う。 スリングショットは練習が必要である)

10、信号用
シグナルミラーと信号弾(オプション)。
(注:国内では信号弾の入手は難しいので、発炎、発煙筒が良いかもしれない。 笛も加えると良い)

11、ゴミ袋
大型のゴミ袋を二枚。
キットの防水や、水の運搬など多用途に使える。
(注:カナダならLeaf Bag、庭の落ち葉用の袋が使いやすい。日本でも、たまにDIYショップで見かける。 コフランやBCBのサバイバルバッグも良いが、高価である)



「スーパーシェルター」
スーパーシェルターのコンセプトは、エスキモーのスノーハウスのように暖かい空気を逃さないことと、焚き火による暖房の組み合わせである。
このシェルターは氷点下でも、寝袋無しで過ごせるし、一人用に必要な装備は1kg以下でパーカのポケットに収める事もできる。

五つの要素
1、風船構造
風船のように暖かい空気を閉じ込める。ヒートロスはおおむね対流によるものである。
シェルター上部に穴があると、煙突のように暖かい空気が逃げ出す。

2、反射する天井
マイラーシートを使った天井は、焚き火の熱を効果的に反射する。

3、窓
クリアポリエチレンにより、炎から放射する熱を通し、火花や煙がシェルターに入る事を防ぐ。
暖かい空気が逃げる事も防ぐ。

4、換気
サイドは通気性の有るナイロンなので、充分な換気がなされ、湿気もこもらない。

5、高いベッド
可能なら、イスぐらいの高さにベッドを作る。
地面からの断熱と詰めたい空気に触れることを防ぐ為である。
床に寝ることは避ける。


「スーパーシェルターの使用」
1、温暖な状況
10℃程度なら、体温だけで充分に暖かい。天井が低ければより効果的である。
シェルターの外部に保温材をつけて、内部の人数が多ければ-5℃でも暖かい。

2、ロウソクを使う
ローソクや温めた石は、体温よりも効果的な暖房になる。
ローソクの熱は150wの白熱球や、1箱のキッチンマッチに匹敵する。

3、焚き火による暖房
-5℃を下回れば焚き火が必要である。
このシェルターは暖かい空気が逃げないので、火は小さくとも良い。
小さな火なら燃料も少なくてすみ、斧やノコギリが無くとも燃料を得るのは容易である。
大人数も効果的に暖かく過ごせ、煙の多い燃料でも問題は無い。

4、体の向き
人数が多ければ、頭かつま先が火にむくようにする。
一人用のシェルターだと、フロントオープンでは熱を受ける面積が狭いので、サイドオープンの方が良い。特に-25度を下回る場合には。
屋根の高さは、内部で座れるように、焚き火の熱を効果的に反射するような高さにする。


「スーパーシェルターの構築」
シェルターを構築する場合、通常はベッドから作るが、雨や雪の時は屋根から作る。
ベッドは丸太で枠を作り、指くらいの太さの枝を敷き詰め、その上を小枝や木の葉枯れ草で覆う。
フレームは柔軟性の有る素材でアーチ状に作るのが最も簡単である。
フレームの端は地面に差し込むが、ベッドの枠で支えても良い。

フレームの上にマイラーシートを被せ、その上部と前面をクリアポリエチレンで覆う。
その上にナイロンを被せる(前面は除く)
シートの裾を丸太や踏み固めた雪で固定する。

#本の内容引用はここまで。

以降はシェルターのフレーム例、雪上での焚き火、スノーシューやパックフレームの作成法が続く。

以上から、私がアレンジしたキット内容は、
雨具上下と防寒着、ジップロックに入れたマッチとライター、刃長4インチくらいの丈夫なナイフ、ファーストエイドキット。
と、
飯盒か鍋(2L前後の容量でベイルハンドル)、手斧とノコギリか二丁差しの鉈、パラコード30m、マイラーシート、ビニールシート2m×2m、ツェルト、メタルマッチ、固形燃料、ロウソク、真鍮の針金を一巻、釣り針と糸、固形ブイヨン、鏡、笛、大判のビニール袋など。


これとは別に食料を持つなら、飴やチョコレート、ソーセージなどそのまま食べられる物。
小麦粉、食用油、砂糖またはハチミツ、塩など応用の利く物。
茶やコーヒーなどの嗜好品があげられる。


[補足]
主に寒冷地で過ごす為のキット、小型飛行機に用意することも薦めている。
スーパーシェルターの説明が主眼のマニュアルで、その他のことは他のマニュアルに載っている。ポケットブックなら「BASIC WILDERNES SURVIVAL」が二冊、「TOOLS OF  SURVIVAL AND TRAINING」「SURVIVAL KIT IDEA」などがある。(これは、www.karamat.comかT・E・Elpelのところで買える)
一般に販売されている本では「BUSHCRAFT」があるが、これにはスーパーシェルターは載っていない。各道具の使用法、火起し、シェルターなど、イラストが豊富で読みやすい本である。


冒頭でも書いたが、このマニュアルの著者はサバイバル技術のインストラクターで、北部でのモダンサバイバルでは最高の教官と言われている。
私は講習を受けた事は無いが、知人が何人か受けていて評判はとても良い。
何年か前に引退の噂と、新しい本を出版するという話を聞いたが、両方ともまだのようである。
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by rwalker | 2007-01-11 21:30 |