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FIRE STARTER

野外に携行する着火器具の内、フリントを使用するものを幾つか。

フリントと言えば火打石のことだが、実際石だけでは火は点かない。
何故かと言えば、火打石のメカニズムは火打鉄(鋼)を打ち付けることで火打鉄が削れ細かい破片が飛び、衝撃の際の運動エネルギーが熱となって破片を赤熱させるからである(高熱になるのは熱容量が小さいため)。

現代のフリントは、基本的な原理は同じだが、より簡単に大きな火花が飛ぶようにできている。
材質は主に鉄とセリウム。
ライターの着火石として100年近く使われてきた。


アウトドア用のフリント
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左から、SPARK-LITE FIRE STARTER、FIRE ROD、A&F メタルマッチ、FIREBALL FLINT、BARK RIVER FIRESTEEL。

SPARK-LITEは、ライターの着火部のみ取り出したような形で、他は全て着火石だけか、それにハンドルを付けたのもの。

SPARK-LITEで約1000回、FIRE RODとA&F メタルマッチは約2000回、FIREBALL FLINTとBARK RIVER FIRESTEELは約12000回の着火が可能だそうだ。
実際に一発で火が点かないことも多いので、半分くらいに見積もっていた方が妥当だろう。


全部だと面倒なので、SPARK-LITEとBARK RIVER FIRESTEELの使用例。

SPARK-LITE
AMKからも同じものが売られているが、これは米軍用。
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ピースの箱よりも一回り小さいプラスチックケースに、SPARK-LITEとTinder-Quikが8ヶ、取説と仕切りのボール紙が入っている。

使用方法は簡単で、Tinder-Quikを少しほぐして毛羽立たせ、SPARK-LITEで火花を飛ばすだけ。
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片手で操作できるので楽である。

このキットは、着火器具と着火材が一つに纏まっている非常に優秀なものである。
これだけで少なくとも8回は、成功率の高い着火ができる。
非常用としては充分だろう。
また、付属のTinder-Quik以外にも、燃えやすいものに着火は可能である。
キャンプ用のストーブの着火も可能。

面倒さは無いので、予備として持つならこれが一番良いと思う。
SPARK-LITEの尻にはイモネジがあり、着火石の補充も可能。
濡れていると火花が飛ばないので、濡らさないようにすること。
指も、よく水分を拭き取ってから操作する。

ホイル式のライターなら、同じようにして着火が可能であるが、着火石を支えるバネが弱いのでSPARK-LITEよりは劣る。


BARK RIVER FIRESTEEL
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ナイフメーカーのBARK RIVERが作っているナイフシース用オプション。
LIGHT MY FIREのSWEDISH STEEL ARMYと同じフリンに、ナイフに使っているのと同じ素材のハンドルを付けたもの。
これは、グリーンキャンバスマイカルタで、他の素材も色々ある。
上記したように、12000回の着火が可能とあり、年に1000回使っても12年持つ計算になる。
実際にはそこまで使うことはまず無いと思われるので、サイズ的には無駄が多い。
しかし、他の細いモデルより大きな火花が飛ぶようで、着火力は強い。
おそらく、太いためにストライカーに接する部分が大きいからだろう。

ストライカーで強く擦り、適当なティンダーに向けて火花を飛ばして着火する。
狭いところや不安定な場所に載ったティンダーには、ストライカーを固定してフリントを引いて着火する。ストーブへの点火も同様。

ストライカーは、ナイフや缶切り、ノコギリやヤスリなど、固くて角があれば何でも良い。
ナイフを使う場合は、刃を傷めるので背を使う方が良い。
BARK RIVERやFALLKNIVENのナイフは、その為に背の角が立っているそうだ。
BARK RIVERのBRAVO-1にあるサムランプのギザギザは、その為にデザインしたと言う(社長談)。
スイスアーミーナイフ ソルジャーのキリや、P-38CAN OPNERなども良いストライカーである。
因みに、この手のフリントに付属のストライカーは、金ノコの刃やギザギザを付けた金属片だったりするが、火花を大きくする効果と、横滑りを防ぐためである。

このタイプはシンプルで壊れ難く、着火力も強く、着火できる回数も多いが、操作は面倒。
両手が必要だし、練習もした方が良い。
積極的に使うには向いていると思う。
「防水」を謳っていることが多く、確かに濡れても拭けば使えるが、主成分が酸化し易い物質なので、長期間水分や塩分の多いところに置くと腐食する。
以前、数ヶ月間海で行動した際、サバイバルキットに入れていたら、フリントがささらのように割れていた。
今使っているモデルも、ナイフシースのループに通してある部分に、虫食いのような腐食が見られる。
マニキュアのトップコートなどを塗り、耐水性を高めておく方が良い。

このタイプを非常用として持つのなら、ダクトテープを巻いておくと便利である。
テープは修理用に使え、良く燃えるので着火材にもなる(火花では着火しないが)。
テープを巻くときは、最初の一巻きは、粘着材の有る面を外側に向けて巻きフリントにくっつかないようにしておく。


ティンダー
Tinder-Quik
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圧縮した脱脂綿に着火材を染ませた物。
2~3分の燃焼時間が有り、焚火の着火も楽である。
そのまま使う必要は無く、切断しても良い。
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ピンや金属片の先端に付け、マッチのようにも使用できる。

自作ティンダー
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コットンボールにワセリンを染ませた物。
簡単に作れて、性能はTinder-Quikと同じ。
温めたワセリンにコットンボールを浸し、指で絞って余分なワセリンを除けば完成。
着火材以外にも、唇や皮膚に擦りつけ、乾燥やひびを防ぐこともできる。
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SPARK-LITEでも簡単に着火可能。
無精してワセリンが多く残っていたので良く燃える。
ワセリンが多いと燃焼時間が長くなるが、指にくっついたり、火花では着火しにくかったりするので、指にくっつかない程度にワセリンを落とした方が良い。

ワセリンは軟膏のベースにもよく使われていて、そういった軟膏なら利用可能。
コットンボールが無くとも、ティッシュペーパーでも使える。
ティッシュに軟膏を塗り、裂いて毛羽立たせたものにもSPARK-LITEの火花で着火できた。

麻紐
ほぐして使う。
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これも簡単に着火できるので、SPARK-LITEに巻きつけたり、フリントのランヤードにしておくと良い。
これにもワセリンを染ませると、水に強く燃焼時間が長くなる。

ティンダースティック
木の枝や木片を削って燃えやすくしたもの。
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燃えやすいとは言え、フリントの火花では着火できない。
上記のティンダーで炎を起し、火を移す。
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良く切れるナイフが必要、コンベックスだと作業しやすい。


いずれにせよ、非常時に初めてだと失敗する可能性も高いので、一度は使っていた方が良い。
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by rwalker | 2008-12-13 17:17 | 火器