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武器

登山用語では、スプーンやフォークのことを「ブキ」と呼ぶ。
グループでの食事はまるで戦場で、そこで用いるからとか、ロシア語の「ビューキ」(フォーク)から転じたとか、諸説あるが、現在のところ語源の定説は無いようである。
尤も、私は山岳部にも山岳会にも属した事が無く、「ブキ」と呼ぶ習慣が付かなかったので、普通にスプーンやフォーク、あるいはユーテンシルツールなどと呼ぶ。

最近は「和武器」なるものもあるが、これは「独逸武器」。
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上はボーカーのイーティングキット、下はユンガー。

ボーカーは鞘を外すと、フォークとナイフが出てくる。
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元々は、それぞれの柄のくぼみにはまる形で、ティースプーンのようなものが入っていたが、いつのまにか無くしてしまった。小さすぎて使い難いものだったので、大して惜しくは無い。
フォークは小振りで、丁度、昔のカップヌードルに付いていたものに柄を付けた様な感じだ。
サイズの割りに使いやすい。
ナイフはホローグラインドされ刃が付いているので、食事用よりも果物ナイフに近い。
簡単な料理なら充分こなせる。

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鞘の先端には二個のキャップがあり、塩と胡椒のシェイカーになっている。
サイズが小さいので少ししか入らないが、ちょっと味が足りない時には便利。
密閉性はそこそこ高い。

調理から食事までこなせ、結構使いやすく良く出来てはいる。
しかし、ナイフは別に持っているので機能が被るし、フォークより箸の方が便利、別にスプーンを持たなければならない(付属していたスプーンは小さすぎる)、収納サイズが大きく(21.5cm)かさばる、のであまり使わなくなった。
オートキャンプでの予備、ピクニック用としてはいいかも知れない。

ユンガーはアルミの鋳物で、スプーンとフォークのセット。
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このままでも使えるが、短い(約15cm)ので、連結して使うこともできる。
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連結した状態では21.5cm。
軽くコンパクトに収納でき、大振りのスプーンはお玉のように使えるので便利である。
しかし、連結して長くした状態で両端を交互に使おうとすると、反対側から汁が垂れてきて手が汚れる。
フォークの先端が鋭すぎて危ない、スプーンは大きすぎて口に入らないなどの欠点もある。
調理する際は連結してお玉代わりに使い、食べる時はばらして使うようにしていたが、鍋をかき混ぜている時にばらけてしまい、スプーンが鍋に沈んだりしたので、いつのまにか使わなくなってしまった。
因みに、スウェーデン軍のユーテンシルキット(ナイフ、フォーク、スプーン。撮影忘れた)のスプーンは、ユンガーよりも大きく調理に使いやすい。ナイフは形は良いが、全然切れない。


最近の武器
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MSRのチタンスプーンと、LIGHT MY FIREのスポーク(下)。

MSRのスプーンはサイズも手頃で使いやすい。
柄はMSRのストーブのメンテナンスツールを兼ねている。
全体のカーブも持ちやすい、これは家でも良く使っている。

普通「スポーク」は先割れスプーンを指すことが多いが、これは連結したユンガーのように両端がスプーンとフォークになっている。
ポリカーボネイト製で軽く、コンパクトだが使い勝手は悪い。
持ち替えつつ使ったら手も汚れるし不衛生なので、使う場合にはどちらか一方だけにした方が良いだろう。
フォーク部の側面はギザギザになっていてナイフのようにも使えるが、これを使う場合は対象を固定する為に別のフォークか箸が必要なので、あまり有用だとは思えない。
これを持つよりも、コンビニで貰える先割れスプーンの方が使いやすいだろう。



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結局、オーソドックスなのが一番使いやすい。
上は、コットンツリーから削りだしたスプーン。
熱いものを食べても唇を火傷しにくい、掬う部分が深いので小振りのお玉にもなる。

下は米海軍のスプーン。
ステンレス製で、堅牢かつ使いやすい。
先端は薄く、それから徐々に厚くなっている。
柄の部分は断面が軽く三日月状で、剛性が高められている。
サイズ、カーブの具合もMSRのスプーンとほぼ同じだが、曲げに対する強さはかなり高い。
とにかく頑丈なので、脱獄には最適だろう。


結局、よく使うのは、MSRか米海軍のスプーン。
どちらかと竹の割り箸を持つことが多い。
by rwalker | 2007-09-04 23:27 |
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